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その男の子は、マンションの屋上で、
屋上のコンクリートの床一面に、クレヨンで線を描いていた。
俺が、たまにはこんな鉄の森を描くのも悪くないかなって、絵描き気取りで辿りついた、国での事だよ。
黒いランドセルが、太陽の光に反射して、ちょっと眩しかったけれど、
床を見つめて、落書きする男の子には、光なんて見えてなかったんだ。
「何を描いているの?」
普段、自分から人に関わらないのに、
話しかけられてから初めてそこに居たんだと認識するぐらい
人に無関心な俺が、
とても気になった男の子。
幼い男の子のはずなのに、
俺と同じ痛みを知っている気がしたんだ。
光が見えないぐらいの痛みが。
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