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昔、昔、ずっーとずっと昔に。
時の神様が、愛する人を傷つけられた悲しみから、「時」を暴走させました。
その、混沌とした世界の、
悲しみや
苦しみや
人を怨む気持ちが集まって
黒い翼の「彼」が生まれました。
人々の「黒」い感情から生まれました。
「彼」は、人の気持ちから生まれたので、
人々の気持ちに同化、同情し深く悲しみました。
けれど、黒い感情の彼は助ける力がありません。
彼が泣いていると、また混沌とした世界に新しい生物が誕生しました。
「彼女」は人々の希望の象徴。
美しく、無から光を作り出す、人々が理想を思い浮かべて誕生した神様でした。
その、美しく神様は泣いている黒い翼の彼の元へ現れました。
「何故に貴方だけが一人で泣く必要がありましょうか?」
黒い翼の彼は、手を差し出した彼女に、敬愛を抱き、そして傍にいたいと願いました。
彼女も、純粋で無垢な彼をとても心から愛しました。
けれど、何でも作り出す、人々の理想である彼女。
人々の黒い感情が集まった彼。
彼は彼女を敬愛しながらも、深く恨めしい嫉妬の気持ちをも抱いてしまいました。
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