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そして、そんな醜い感情が支配する自分は、悪魔だと彼は自覚しました。
神様が悪魔を愛するなんて……。
皆の理想の女神の汚点になってしまう、と彼は考えました。
そんな彼を見ても、彼女にはどうする事もできません。
そして、彼は等々、彼女のそばから離れる事を決意しました。
彼女はそれを察し、
自分を悪魔だと、
無力だと、
純粋な涙を流し、
傷つく彼に白い翼を与えました。
けれど、彼はその彼女から与えられた白い翼に、
【彼女との記憶】を封印しました。
彼女が悪魔を愛した神様だと、人々の記憶に残らない様に……。
そう、世界中から、自分と彼女が過ごした記憶を自分の翼に封印したのです。
それにより、翼が片方、黒く戻ってしまいました。
それに気付いた彼女は彼を探しました。
彼は、全ての記憶を封じて一人、人間の世界へ。
記憶を宿し、疲労困憊した彼は、道端に倒れてしまいました。
けれど、翼が生えた、ましてや片方が黒い翼の彼を誰も人間は助けません。
それどころか、不気味な彼を殺そうと集まる人々。
意識が遠のく中、彼は知らない家の前まで行くと倒れてしまいました。
そんな彼を助けたのが一人の少女でした。
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