1011人が本棚に入れています
本棚に追加
フッと辺りが暗くなって、瞼を開けた。
でもどうやら、トンネルに入っただけだった。
まだ、日が落ちる、少し前の時間だったから。
ガタン、 ゴトン、
ガタン、 ゴトン、
少し長めのトンネルで、
俺は退屈そうに暗い窓を見つめていた。
ガタン、 ゴトン、
ガタン、 ゴトン、
でも、窓の外には、
ただのトンネルの壁だけじゃない。
淡く、青い光に包まれた
綺麗な綺麗な
蝶の姿があった。
妖艶で、
神秘的に、
光輝く青い蝶。
涼しげに、電車の窓に止まっている。
―――そちらは乗り心地どうだい?
俺と駅長さんだけの電車かと思っていたけれど、
違っていたね。
素敵な魅力を持つ蝶よ。
最初のコメントを投稿しよう!