恋愛の話。

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少し町外れの、小さな丘の上に。 洋風の大きな御屋敷があった。 大きな門は、私を阻むかの様にそびえ立っていた。 私は恐る恐るチャイムを鳴らそうとした。 すると後ろから声がしたんだ。 「今、開けますよ。話は全部聞いておりますから」 白髪の紳士そうなおじいさんが、にっこり優しそうに笑ってくれた。 庭はとても広くて、空気はとても澄んでいて、同じ世界とは思えなかった。 「まだレッスン中かもしれませんね」 屋敷中探しても見つからないと慌てていた。 では先に紅茶をお出ししますね?と 部屋から出て行った。 すると声がした。 「私はここだよ」 少し高い、けれど憂いある艶やかな声。 「貴方は誰?」  
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