恋愛の話。

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庭の大木に登っていたのは、綺麗な少女だった。 淡い黄色のワンピースに、上から毛布で包まれて、首にはマフラーをしていた。 「何しに来たの?」 彼女は、警戒していなかった。 少し幼いけれど、色素の薄いか弱そうな細い体に、無邪気で可愛いらしい笑顔の少女。 「貴方とおしゃべりしてみたくて」 彼から話を聞いて友達になりたかったの、と 彼、の名前を出した。 すると少女はパッと輝く笑顔で話しだした。 「嬉しい!!友達なんて初めてだぁ!」 よろしくねって笑ってくれた。 無邪気なその笑顔に心が痛んだ。 「ねぇ、お姉さん! 上まで登って来てよ」 制服姿で少し戸惑いながらも、私は登った。 ――でもいきなり留学の話なんて難しいよね…… そもそも留学って何の為に? こんな見ず知らずの私に何ができるかしら?
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