初恋 ~浅き夢見し~

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郵便受けには、対と同じ名字が書かれていた。 俄然気持ちが色めき立つ。 偶然同じ名字なのかもしれないが、対の家の可能性が高くなった。 しばらく張り込んで、様子を見よう。 アパートの入り口にビデオを向けて、注視する。 ふと隣を見ると、Iさんが爆睡していた。 ・・・ぶちころすぞ 対の部屋と思われるドアが開いた。 ビデオをズームし、出てきた女性を収める。 年齢的には合っている。 無駄を省くため、早速この映像を依頼者に見せよう。 年数は経っているが、本人か別人かくらいは分かるはずだ。 私はその場で依頼者に電話し、事務所で落ち合うことにした。
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