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"まさかお台場に行くなんてね・・・"
正直、想定外だった。
依頼主である旦那が夜遅いとはいえ、のんびりデートを楽しむとは。
準備不足を認めざるをえない。
人手が足りなかった。
これですんなりホテルにでも行ってくれればいいが、またどこか繁華街に行かれると、今度こそ見失うかもしれない。
「M君、Kさんに頼んでテリーに連絡してもらって。
手が空いてる人を集めて来てもらおう。
次がホテルとは限らないし、こっちも失尾するかもしれないしね」
「了解です」
応援を頼み尾行を続ける。
対は新宿方面に進んでいた。
・・・新宿に寄ったりして・・・
イヤな予感というのはなぜ当たるものなのだろう。
対の車は新宿の街中に入っていく。
"ホテルに行ってくれればいいんだけどな"
その期待も虚しく、車は地下駐車場に降りていった。
まずい!バイクは入れない!
どの出入り口を使うかも分からない。
「対の車が地下駐車場に入った。
バイクじゃ追えない。
いつ新宿に着く?」
「もうすぐです」
「OK、西口の駅前地下駐車場だから、そこに入れて。
今俺も中に向かってるけど、たぶん見失うわ。
着いたらまた連絡して」
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