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「別れて…ほしいの…」
愛する人からの別れの言葉。
それはあまりに突然で…。
それは恋が終わる意味を表す言葉。
[永遠に忘れられない恋]
「急に…どうしたん?」
部活を終え、帰路の途中で楝華が言った…別れの言葉。
俺はいきなりの事で、すぐには理解出来ない。
「私と…別れてくださいっっ…」
ただ同じ台詞を口にし、俺に頭を下げる。
楝華の小さな身体は微かに震えていた。
「ハハッ…新手のギャグ…か?おもしろくないぜ…」
乾いた笑いが零れる。
冗談にしては笑えない。
悪質なイタズラとさえ思った。
「違うっ…っ本気で言ってるの…」
ずっと頭を下げたまま、小さな声で…
でも、俺には、はっきりと聞き取れた。
「顔上げて…俺を見ろよ…」
俺がそう言うと、楝華は顔を上げた。
でも、すぐに俯いた。
「…」
黙り込んで、ただ地面を見つめたままの楝華。
「っ…何で俺を見ないんだよっ!?俺と別れたいんだろ!?だったらちゃんと目ェ見て理由言え!」
つい、怒鳴り声を上げてしまった。
楝華は一瞬、怯えたようにビクリとした。
そして…
地面に落ちる雫が見え、それは涙だと、すぐに分かった。
顔を上げた楝華が泣いていたから…。
「言えないよっっ…」
楝華の涙は止まる事なく頬を伝い、地面にいくつも落ちていく。
「なんで言えないんだよ!?理由位あるだろ!?俺に飽きたとか、嫌いになったとか!」
落ち着こうとしても、溢れ出る感情を止められない。
こんな事…言いたくないのに…。
「違う!侑士の事…嫌いになってない!!」
「だったらっ…別れる必要ないだろ?!」
まだ…
俺の事が好きなら、楝華は別れを言う必要はない。
他に理由があるとしか思えなくて、俺は楝華を問いただした。
しかし、楝華は本当の理由を言おうとはしなかった。
何故、頑なに拒否するのか…
何故、別れなければいけないのか…
一切、口にしなかった。
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