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雪が降り続ける今日、大晦日。俺は一人で歩いていた。
周りは皆カップルか親子で、一人で歩いている俺はとても孤独だった。
(…何で俺、街何か歩いてんだろ…)
街が大勢の人で賑わってるのはわかっていた。なのに何故か歩きたくなったんだ。
ボーっと何も考えずに歩いていると、誰かに袖を引っ張られた。
誰かと思い振り返ると、そこには一人の少年が立っていた。
「何だ、坊主。迷子か?」
いつもなら追い払ってそのまま歩き続けただろう。けれど俺は何となく聞いていた。
恐らく少年の格好を見て思わず聞いたのだろう。
少年は雪の降るこんな寒い日に、穴だらけのセーターにボロボロになったズボンを履いていた。
少年はにっこり笑って手を出すと「ちょうだい♪」と言う。
俺は何が欲しいのか、すぐにわかった。
「ちょっと此所で待ってろ。」
少年の頭を撫でると小走りに歩き出してある場所へ向かった。
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