あの日砂浜で・・・

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「よっぱらいの皆さん、なんの会話でもりあがってるのかな?」 さっきまで、離れたところで飲んでいた大学院のゼミの先輩達が輪に加わる。 「なんかずいぶん楽しそうな話をしてたみたいだけど?」 がっしりとしていいお兄さんタイプの吉野さんと、ちょっとちかよりにくい比嘉さんが会話に入る。 吉野さんも比嘉さんも大学院に先輩たちだけど、教わっている教授がいっしょということで、研究会やら飲み会には必ず顔を出す。 吉野さんは、がっしりとした体格だけどとても世話好きで、私たちゼミ生の面倒を一手に引き受けてくれている。 長期の休みの時なんかに出る課題とかわざわざ「吉野塾」など開講してお手伝いしてくれる。 噂では、高校時代から付き合っている彼女にベタぼれで、 甲斐甲斐しく彼女のお世話をやいているとか・・・。 ゼミでは「理想の旦那様」というイメージが定着している。もうひとりの比嘉先輩こと・・・比嘉亮介 うちの大学でも評判の美男子。 高身長・・・高学歴・・・おまけにモデルばりのルックス。栗色の緩やかなくせのある髪と整った顔立ち。 なんでも、弁護士と医者の家系だとか・・・なんとか。 お父様は、だれで~も知っている企業のお偉いさんだとか・・・普段は無口であまり話さないが・・・うちの大学一番の遊び人という、噂も。 実際のところあまりかかわりがないからわからないけど いつも誰かに告白されたとかっていう噂が耐えない。 オープンキャンパスの時、仮設ステージでピアノを弾いていた。あんまりにも絵になっていたので、その時の印象が強い。 確か弾いていた曲は 「Fry me to the moon」とかいう曲だった。 入学当時、私もあこがれていたのは事実。
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