知らない部屋

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目を開けると、濡れた髪のまま覗きこむ比嘉先輩の顔がある。 あ、比嘉先輩って間近でみるとこんなきれいなんだ。 「比嘉先輩おはようございます。申し訳ないんですが、昼休み終わるまで、もうちょっとだけ眠てます。」 「ぶっ・・・。昼休みって!」 無邪気な笑顔。 「寝てていいよ。俺、今日ゼミ休みだし。ずっと部屋にいれるから。ゆっくりしときな。」 そう言って、背中を向けた。バスタオルを頭に被ったままの、むき出しの背中は、とても広く感じた。
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