adonis

2/2
前へ
/80ページ
次へ
心地よい風と波の音 氷を持つ左手に冷たい痛みを感じる。 「・・・adnis」 「アドニス    お願いできますか? 「ええ。」 クラッシュアイスを作る手を止めた。 「adonisですね。」 「ギリシャの女神に愛された少年の名前のカクテル。 女神を狂わす程の魅力を持つその人の名前。 あまり飲まれる方いらっしゃらないんですよ。」 背中ごしに会話をすすめ、グラスを選ぶ。 瑠璃色グラスは主人公を待つ物語の景色にも似ている。 「そんな、人に・・・出会ってみたいものですね。」 振り返った瞬間。 グラスの割れる音とともに運命は動き始めた。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加