あの日砂浜で・・・

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「ねえ、沙弥。」 同学年でいつもゼミでは中心的な人物の美和が話始める。 美和は、小柄でくりくりした瞳の守ってあげたくなるような女の子。 すこし、ほわんとした雰囲気を持っているから、とにかく男が放っておかないタイプ。 でも、いつもとんでも無いことや、心にぐさっと突き刺さる発言が多い。 同姓から非難を浴びやすい可愛い子の特徴ともいうべきだろうか・・・。 本人に自覚はないのだろうけれど・・・ 美和が私の方をくりくりとした瞳で何か含みをもってじっと見る。 「沙弥ってなんとなく男うけいいよね。」 美和の一言で、今までの会話が中断され、視線の槍が私へと向けられている。 し~んとした空気と、痛いほどに突き刺さる視線の槍・・・ ああ・・・とうとう私の番ですか。 だから早く抜けようと思っていたのに・・・ 完全にタイミングを見誤った! 「ん?そんなことないよ。」 苦笑いしながら、どう話題を変えようか必死で考える。 あぁ、こんな時にかぎって、いい切り返しが見つからない。「そうでもなくないよ~。沙弥って意外と人気あるよ。割りともてるほうじゃない?」 不自然なほどさわやかな笑顔で美和が追い討ちをかけるように話題を続ける。 「え・・。」 意外ってなんだ。いがいって。人の事を珍味みたいにあつかって・・・。 「私」というお酒のネタに、この「本音トーク」の主催者の飯田がビール片手にふらふらした足取りで、丸太ベンチの私に近づいてくる。
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