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ガタゴト揺れている。
左肩の傷が痛む。
目を少し開けると真っ暗だった。
いや、真っ暗なのは視界の両サイドだけだった。
真ん中のとこだけは黒と言うよりも深い紺色だった。
しかも小さな光っている点が上から下へと動いている。
さっきからガタゴト揺れてるせいで気持ち悪くなって来た。
少し上体を起こしてみる。
どうやら馬車の上で寝かされていたようだった。
「うっ、うう」
肩の痛みと頭の怠さに思わず呻く。
すると御者席にいる人影がこっちを見る。
影は二つあった。
「気が付きましたか?」
どうやら片方は芹夏ようだ。
「ところで隣にいるの誰?」
「この人は私の知り合いでリックさんです。」
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