~第二話~

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  が、 「紗姫」 後ろから、誰かに抱きつかれた。 誰かと思い、上を見上げる。 「霧夜…?」 優しく包み込みように、霧夜は紗姫に抱きついていた。 あまりに急なことで、目をぱちくりさせながら、状況を理解するまで黙ったまま抱きつかれていた。 「え、霧夜!?」 ようやく理解できた紗姫は、もう一度霧夜を見た。 頬が熱くなっていくのを感じる。 「先輩、顔真っ赤」 淳は、紗姫の顔を見てそう言いながら笑った。 紗姫の後ろで霧夜の笑い声も聞こえる。 紗姫の顔はさらに赤くなった。 「紗姫、お前また淳に抱きつかれてただろ」 「ちょっ…耳元で喋らないで…っ」 顔を真っ赤にして、少し怒り気味な感じで霧夜に言う。 「悪いな」 また耳元で喋り、紗姫をぱっと放す。 そして何事もなかったかのように自席についた。 紗姫もため息をつき、席につく。 「ねぇ霧夜。会長は?」 紗姫は隣に座る霧夜に、まだ熱が冷めない顔をそちらに向けずに聞いた。  
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