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「キャシーと猫はブスになったにゃ!」
「違いますっ!」
盛大にずっこける先生。
「キャシーと猫はバスに乗りました、です。ブスではありません」
先生の解説に、クラスが微笑に包まれる。
ミケは防災頭巾の上から手を当てて、あちゃーと舌を出して失敗を反省していた。
さすがはクラス一のバカ娘だと、ヤマネコは皮肉げに考える。
中一レベルの英文だろ、と。
どこにでもある午後の授業風景――いややっぱどこにでもないかも――だったが、ただ一つ、ヤマネコの瞳だけは黒い光を放っていた。
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