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そして、放課後。
まぐろ一本釣り部の帰りのミケは、薄暗くなった住宅街を一人で歩いていた。
防災頭巾は被ったままで、あからさまに不審者である。
だが、不審者はもう一人いた。
ミケを後ろからつけている不自然なダンボールが一つ。
その中に入っているのはヤマネコだった。
ハッキリいって、逆に目立っている。
「にゃ?」
妙な気配に気付いたミケは振り返る。
そこにあるのはダンボールだ。
「なんだ、ただのダンボールかにゃ」
ミケは特に気にとめることもなく、再び元気に帰り道を歩き出した。
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