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由貴が通う専門学校。
駐車場に車を止めた由貴を見つけて先に来ていた冬矢が近寄ってくる。
「おはよう。昨日の事考えてくれたか?」
「冬矢…。昨日って今朝じゃないかよ…まだ考えてない。」
MR2のドアを閉めて冬矢の方を見る。
「その話しの延長で、俺達でチームを作らないか?」
くそ真面目な顔で、冬矢が言う。
「チーム?俺達で?」
「ダメか?とりあえず、俺とお前の二人だけだけど…。」
「ダメじゃないが…リーダーは誰がやるんだ?」
自販機の前に移動して、コインを入れてボタンを押しながら由貴が聞く。
「ん?お前しか居ない気がする。」
「俺かよ…。」
買ったポカリスエットを飲んで一息ついて、ボソッと由貴が言う。
その横で、冬矢が目を潤ませながら由貴を見ている。
「まあ、良いだろ…」
はぁ…と、溜め息をついて頷く。
「それで、チーム名は考えてるのか?」
「まあな…、聞いて驚くなよ。」
しばらく間を置いて冬矢が口を開く。
「『M・D』…「ミッドナイト・ドライバー」だよ。」
「なんとも、ベタな名前だな…。」
「まあ、良いじゃないかリーダー!!」
二人はそんな話しをしながら実習場に歩いていった。
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