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「夢香…あと5日、どうしたい」
『…え?』
「お母さんもお父さんも、夢ちゃんに何かしてあげたいのよ…」
抱いているお父さんの腕が緩む
「正直に言ってくれ…お父さんとお母さん…お前になにをしてあげたらいい?」
とても優しい声で聞いてくるお父さんの目には涙が溜まっていた
「夢香に親として最後になにかしたいんだ。このまま夢香が死んで行くのを黙って見ていることしかできないのが一番悲しい…」
『お父さん…』
お父さんの隣で涙を流し、声を出して泣いているお母さんは崩れ落ちるように座り込む
『私は…今まで通りがいい!
優しいお父さんとお母さんと一緒に今まで通り笑っていたい!』
お父さんは私を再び抱きしめ、初めてお父さんが涙を流した
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