第六話 ミュウを知る女の子

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「では、昨日と同じようにばらばらに探しましょう」 「そのことだけど、明日香さん……」 「どうかしたのですか?」 自分で言うなと言っておいて、明日香さんに言うのか? という目でトラ君とクウちゃんが僕を見てきた。でも、まだ言うわけにはいかない。 確信がないから。 たまたま同じような場所を見ていただけかもしれない。そうなったら明日香さん達に迷惑になる。 だから理由は言わずに、さっきの公園に行きたいことをアピールする。 「僕、さっきの公園を調べたいんだけど……」 「珍しいですわね、ミュウが自分からそう言うなんて」 「うん。ちょっと気になったから」 「そうですか。姉様と悠太もそれでよろしいですか?」 「俺はいいぞ」 「あ、明日香が言うことは絶対ですから!」 2人からの了解も得た。トラ君もクウちゃんも笑顔を僕の方に向けてくれた。後は僕が頑張って調べるだけだ。 「絶対ではありませんが……まあ、いいでしょう。では、後は勝手に決めてください」 「了解」 「は、はい!」 これで行く場所も決まったし、僕たちは解散ということになった。 集合場所はバス停に6時。6時8分に出るバスに乗ることになっているから、今日は遅れる訳にはいかない。
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