第六話 ミュウを知る女の子

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『この場所ならいいかな』 結局、公園の外に出てしばらく歩いて、人気も猫気もない裏道のような場所に来た。 でも何でこんな場所まで連れてきたんだろ。 「何でこんな場所まで来たの?」 『何言ってるの?あなた今、猫語以外を話せるようになってるでしょ?』 「………!?」 何で僕の事を知ってるんだ、この猫は!? 『なんで知ってるんだって顔してるわね』 「そりゃそうだよ!僕は君のことなんで知らないんだから!」 『やっぱり記憶をなくしてるのね』 女の子はため息をついてそう言った。この猫、僕の事をどこまで知っているんだろう? 「僕のこと、どこまで知ってるの?」 『あなたがいなくなる時まで』 僕がいなくなる時まで? 僕がいなくなる時っていつなんだろう。あの猫と喧嘩をした時だろうか? というか、僕はここに住んでいたのか? わからないことだらけで頭が痛くなってくる。 「お願い!知ってる事を全部教えて!」 『いいけど、ひとつだけ聞いていい?』 「なに?」 『あなたはなぜここに来たの?』 なんでそんな事を聞くのだろう? 僕が人語を話せるということは知っているんだから、来た理由もだいたいわかってると思うんだけど。
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