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『この場所ならいいかな』
結局、公園の外に出てしばらく歩いて、人気も猫気もない裏道のような場所に来た。
でも何でこんな場所まで連れてきたんだろ。
「何でこんな場所まで来たの?」
『何言ってるの?あなた今、猫語以外を話せるようになってるでしょ?』
「………!?」
何で僕の事を知ってるんだ、この猫は!?
『なんで知ってるんだって顔してるわね』
「そりゃそうだよ!僕は君のことなんで知らないんだから!」
『やっぱり記憶をなくしてるのね』
女の子はため息をついてそう言った。この猫、僕の事をどこまで知っているんだろう?
「僕のこと、どこまで知ってるの?」
『あなたがいなくなる時まで』
僕がいなくなる時まで?
僕がいなくなる時っていつなんだろう。あの猫と喧嘩をした時だろうか?
というか、僕はここに住んでいたのか?
わからないことだらけで頭が痛くなってくる。
「お願い!知ってる事を全部教えて!」
『いいけど、ひとつだけ聞いていい?』
「なに?」
『あなたはなぜここに来たの?』
なんでそんな事を聞くのだろう?
僕が人語を話せるということは知っているんだから、来た理由もだいたいわかってると思うんだけど。
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