8人が本棚に入れています
本棚に追加
「僕が人語を話せるようになって、同じような状態になった猫が京都にいるって聞いて、それで僕が治るかどうかを聞きに……」
『もういいわ。だいたいのことはわかったから』
僕がなにを言っているのかわからなくなったのだろう、ため息をついて話をさえぎった。
僕もそんな質問が来ると思わなかったから適当に考えたのだ。何言ってるか全然わからないのは僕も同じだ。
「それで、僕のことは……?」
『さっきも言ったでしょ?あなたの本当の名前はタイム。生まれてからいなくなるまでずっとさっきの公園に住んでたのよ』
「そうなの…?」
『そうよ。わたしが言うんだから本当に決まってるでしょ?』
だからあの公園の猫は僕の事を知っている猫が多かったのか……
でも、なんだろうその理由は?
僕はこの女の子が何者なのかもわからないのに、そんなこと言われても信用ができない。
最初のコメントを投稿しよう!