8人が本棚に入れています
本棚に追加
1週間後。
『どういうことお父さん?』
『お前とは一緒に暮らせなくなったんだ……』
いきなりそんなことを言われても、タイムには何が何だかわからなかった。
昨日まではいつも通りの暮らしをしていたのに、なんでこんなことになっているのだろう?
『なんで!?なんでいきなりそんなこと言うの!?』
『いろいろあったんだよ……』
『いろいろ…?いろいろなんて言葉で僕を捨てるの?』
タイムがいろいろなんて言葉で納得するはずがない。タイムだけでなく他の子猫でもそうだろう。
『捨てるわけじゃない……少し離れて暮らすだけだ……』
『少しってどのくらい?1週間?それとも2週間?』
『わからない……』
『わからない…?そんなの勝手だよ!』
タイムは今にも泣き出しそうな声でそう叫んだ。それが聞こえたのか、キリが2匹の元に駆け寄ってきた。
しかし、深刻な話をしていることを察しって、声をかけられなくなったようだ。
『だからすまん……』
『もういい……お父さんなんて知らない……』
そのままタイムはとぼとぼと公園から出て行ってしまった。
『おじさん……』
『キリちゃんか……すまないね、見苦しいところを見せて……』
途中から話を聞いていたキリが、タイムの父親に話しかけた。
キリも父親がいなくなることに納得がいかないのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!