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どちらかを選ぶか……
普通なら平和に暮らせるほうかもしれない。
でも僕は、お父さんに別れを言わずに勝手に出て行って、何十キロも離れた堀江家にいた。そんな事をした僕に平和に暮らす権利なんてないのかもしれない。
本当、どっちにすればいいのだろうか……
『いいわ。じゃあ、明日の日没まで待ってあげる。それを過ぎたら、わたしはもうあなたには何も言わない。今の症状を治せる人も自分で探してね』
キリさんも僕が何を迷っているのかがちゃんとわかっているようだ。それをすべて決めてこいということだろう。
そして、日没といえば、今の時期では18時頃……
それまでに考えないと、1人で。
「わかった。明日の日没までには絶対に来るよ」
『じゃあ、それまで待っててあげる』
「ありがとう」
そう言い残すと、僕はさっきの公園に戻って行った。キリさんも僕を止めることはなかった。
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