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それから30分、皆がバス停に集まった。予定よりも早い時間だったから、みんな不思議がっている。
「どうしたんだ、姉さん?昨日は遅れて今日は早いなんて、ますます姉さんらしくないな」
それはどっちも僕のせいなんだけど……
今の僕には明日香さんをかばおうとも思わなかった。それだけ、追い込まれているのだ。
「ミュウが全ての情報を手に入れたからですわ」
「ミュウが?」
『本当か、ミュウ?』
「うん……」
みんなの視線が僕の方に向いた。
僕は仕方なくうなづいた。今は答えるのも面倒臭い……
『にしては元気ないね?なにかあったの?』
「うん…まあ……」
クウちゃんが心配してそう言ってくれた。それなのにそれに答えるのも面倒だと思ってしまう。大好きだったはずなのに。
「とりあえず、帰ってから皆様に話すそうですから宿の方に戻りましょう」
僕の気持ちがわかったのか、明日香さんはみんなをまとめてバスに乗るように指示してくれた。そうして僕たちは1日目から泊っている宿に戻って行った。
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