8人が本棚に入れています
本棚に追加
「では、ミュウ。早速で悪いですが公園であったことを話してくださる?」
宿に着くと、明日香さんは容赦なく僕に質問してきた。時間のこともそうだけど、明日香さんは約束ということに関しては厳しい。ここで何も話さなかったら、僕も由美さんと同じような事になってしまうかもしれない。
ちなみに由美さんは今放心状態から少しずつ回復しつつあるようだ。
「うん。実は――」
だから僕は、正直にキリさんから聞いた話を全部伝えることにした。
「結構重い話だったんだな……」
話が終わって一番初めに口を開いたのが悠太君だった。
その悠太君の発言も、この空気をどうにかしないといけないと思った発言だったみたいだけど。
「それで、ミュウはどうしたいのですか?」
「うん……まだ考えてないんだ……」
『でも、ミュウちゃんはわたし達と一緒に帰ってくれるよね?』
クウちゃんがそんな事を行ってきた。いつもの僕なら凄くうれしい発言だと思っていただろうが、今は鬱陶しいだけだ。
『止めとけクウ、それを決めるのはミュウだ。俺たちが口出しすることじゃねぇよ』
そんな僕の気持ちがわかったのか、トラ君がクウちゃんを止めにかかる。ありがとうトラ君。
『なんで!?トラはミュウちゃんに帰ってきてほしくないの!?』
『帰ってきてほしいよ。でも、俺達の意見をミュウに押しつけるわけにはいかないだろ』
「ごめん……しばらく僕だけにさせて……」
僕はそういうと、窓から飛び出して当てもなく適当に歩いて行った。
どこに行こう……
とりあえず、1匹で考えられるところならどこでもいいや。
最初のコメントを投稿しよう!