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「僕はここに残ろうと思う」
「え…!?」
『ミュウちゃん!』
予想通りの反応だった。堀江3兄弟も猫2匹も、さっきまでひとつも表情を変えていなかったキリさんも驚いている。
特に由美さんとクウちゃんは僕を引きとめようと思ったのか、飛び出しそうになってきたが、悠太君とトラ君によって止められた。
『待て、クウ!ミュウの話を最後まで聞け!反論はその後だ』
『わかった……』
ありがとうトラ君、僕なんかのために……
『あなたは本当にそれでいいの?』
やり取りが終わったのを見たキリさんが聞いてきた。
「いいよ。後悔もしない。僕はここで両親が帰ってくるのを待つ」
「何でそっちを選んだのです?」
明日香さんがいつもの口調でそう言ってきた。
いや、いつもの口調に聞こえるが、少しだけ違っていた。明日香さんも、僕がこっちに残ると言ったことが寂しいのだろうか?
そう思ってくれるならうれしい。
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