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あの後、オレ達は何も喋らずに手を繋いで花火を見た。
「そろそろ帰るか?」
花火も終わったし…
帰る…か。
手を繋いだままオレ達は帰り道を歩いた。
露店がある通りを抜けたとこで十代目と笹川妹が嬉しそうに話す姿が見えた。
「あ…獄寺君!!」
「十代目!!」
邪魔しないように、と思って話掛けなかったが流石十代目、オレに気付いた。
オレを見つけると笹川妹とこっちへ向かって来た。
「山本と二人で来たの?」
「ええ…まぁ。」
さっきのこともあり、オレはなんとも言えない曖昧な返事をした。
─と、その瞬間。
繋いでた手を
振 り 払 っ た 。
山本の顔を見ても相変わらずの笑顔で─。
そう、オレ達は世間の認めるハズのない恋愛をしてるんだ。
ましてや十代目に見られては右腕の名が廃る。
分かっていても──
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