アノネ…

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【直哉】 「あはは、まぁ仕方ないよな。  香織ちゃんも就職活動で  忙しそうだし  お前と遊ぶ暇もないんだろ?  あーあ、それに比べて  何てヒマな大学生。  かーわいそっ!」 【俊介】 「うっせーなぁ、  これでも結構凹んでんだぜ  俺ちゃんも。」 リアルに凹み気味なのを からかわれ、直哉を軽く睨み 溜め息混じりに言い返す。 そう、今年の誕生日は香織の 都合がつかないので 一人で過ごすこととなった。 香織は3年前にバイト先で 知り合った俺の彼女だ。 スタイルはいいとは言えないが 背が小さくてオシャレで可愛い。 同い歳なのだが外見からはやはり 幼さが感じられる。 しかしその外見とは裏腹に 芯の通った真っ直ぐな子で 自分の夢を叶えるために 去年、服飾の専門学校へ進み 今は卒業制作と就職活動で 忙しい毎日を送っているそうだ。 会おうと思えば会えるのだが なかなか香織に時間がなく 1ヶ月近く会っていない。 一日に数回のメールと 電話を繰り返している。
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