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夜、田舎道、俺は数十分、走り続けた。
少し暗がりになった道へ曲がろうとすると、女性の声がした。
『きゃっ…』
少しかすれて、とても綺麗な声だった。
翔『あ、大丈夫ですか?』
女性『ぇ、えぇ…』
女性はよろつきながら、立ち上がろうとコンクリートに手をつく。
俺はそっと手を差し出す。
翔『すいません…。こんな時間に人がいるなんて思わなくて…』
女性『いぇ、ホントに大丈夫ですから…』
女性は暗がりの中、俺の手を見つけて立ち上がる。
そして、パンパンと服を払う仕草をする。
翔『じゃ、じゃあ、俺行きますね…』
俺は軽く会釈をし、来た道を戻ろうとした。
女性『ぁ、あのぅ…』
数メートル進んだ所で、俺は女性に呼び止められた。
翔『…はい…?』
女性『見ず知らずの人には言いにくいんですが…』
女性は少し怯えた様子で、俺に話す。
女性『良かったら、少し…側にいてもらえませんか…?』
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