プロローグ

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鬱蒼と茂る森を抜けて、十数人の人が先ほどまでの森が信じられないくらいの荒野へと出る。 全員が全員同じ軍服に袖を通し、胸にはその国を表すエンブレムが繕ってあった。 現在地を確認するように腰に大剣を携えた灰色の髪の軍人が辺りを見回す。 場所の確認を終えると、彼は他の軍人の方を向いた。 「これから、我々独立遊撃部隊03は当初の予定通り強行偵察を行なう。敵と交戦する可能性が十分あるが、命の危険を感じたら真っ先に退去してくれ。責任は全て僕が被るから」 この小部隊の隊長かと思われる彼が、全体にそう告げる。 その言葉に反応したかのように、隊員達の中から一つ手が上がる。 「それはグレイもでしょ? 自分だけを犠牲になんて思わないでよ」 グレイと呼ばれた隊長の言葉に前に出たのが一人の女性隊員。 その彼女は軍服よりも清楚なドレスが方がずっと似合いそうなだった。 腰まである長い栗色ストレートに少し幼いながらも調った顔立ちの少女がニコッと笑う。 その彼女の言葉にその場の全員が同じ考えだと言わんばかりに頷いた。 「エスト……みんな……。そうだな、また全員で生きて帰ろう。さあ、行くぞ」 エストと呼ばれた栗色の髪の少女と、他の仲間を見て、グレイは改めて決意を確かにして全員に呼び掛けた。 その言葉に一人一人が応え、彼らは歩き出そうとした…………。 その時、彼らを一つの爆発が襲った。 敵襲だ。 「なっ!!」 想定外のタイミングでの攻撃と何故此所にいる事がわかったという二つの驚きがグレイを焦らせた。 荒野の先現地点から約250メートル程の小高い丘には、確かに予め待ち構えていたように敵軍が砲弾を並べていた。 部隊の内、既に攻撃を直撃した二人は黒く焼け焦げた地面に転がり、ピクリともしなかった。 「くっ、迎え撃つぞ」 グレイは大剣引き抜き、そう呼び掛けた。 選択肢は、それしかなかった。 柄を血がにじむ程強く握り締め、瞳を少し潤ませながら、倒れている二人を置いてグレイは駆け出した。 残りの面々も彼に続き、武器を手に敵軍へと駆けて行った。
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