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三人の前には高く築かれた鉄の壁。
これが要塞ではなく町だと言うのだからまた驚きだ。
余りに堅牢な町にリエーリは、ぼーっとしながら前方の壁を見上げていた。
「ここが、オイラの町。国境防衛の町“キャスティア”。どうだ、デカいだろ」
自慢気な顔をし、ノトムは誇らしげに胸を張る。
しかし、グレイの反応はノトムの予想を裏切り、随分淡泊なモノだった。
「ん、どうした。驚かないのか?」
「いや、ジェノウシスはこんな町ばかりだったから見慣れててね」
「ケッ…………」
彼の苦笑いしながらの言葉にノトムはあからさまにイヤな顔をして舌打ちを一つ。
そして、何も言わずにリエーリの元へと歩いて行った。
「ねぇ、ノトム君。あれってどうするの?」
近付いてきたノトムに気付き、リエーリが問い掛ける。
その指の先には、この町唯一の入口。
そこには、何人かの兵士が門に立っていた。
重要な町故か、検問がしかれているようだ。
これでは、グレイとリエーリは通れない。
旅人のギフターは軍に見つかると、強制的に確保されるからだ。
「あぁ、アレね。大丈夫オイラに任せて。ほら、そこの灰色早く来い」
ノトムは自信満々に言い放つと、偉そうにグレイを呼ぶ。
その言葉にグレイは、少し苦笑いをしながら二人の元に向かった。
「じゃあ、聖痕出して」
その言葉に言われるまま、二人はグローブを外して聖痕をあらわにする。
それを見て、ノトムは右手をリエーリの聖痕にあてがう。
「“カラード・グラデ”」
彼の右手からは、少し淡い光が手から溢れる。
それが収まると、ノトムは得意気な顔で右手をどかしてみせる。
「なっ!?」
「わぁっ!?」
そこには聖痕の黒い刻印は無く、彼女の陶器のような白い肌だけだった。
跡形無く消えた聖痕に、二人は驚かない訳無かった。
「どうだ、これがオイラの聖痕“レオレオ・レルート”。属性は“色”だ」
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