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高校を卒業して晴れて華やかな大学生。
明日からは見るものすべてが新鮮に感じる初登校…
のはずだったのに…
「ギリギリ合格おめでとう!!」
妹が馬鹿にした目でニヤニヤして言った。
「…ありがとう。」
不愉快極まりないと言わんばかりにふて腐れて言葉を返した。
「何ふて腐れてんの?合格したんだからもっと喜びなさいよ。」
「そんな言い方されて素直にニコニコしてありがとうなんて言うか!!」
妹の由利『ゆり』は学歴優秀で学年ではいつもTOP3に入るぐらい頭が良いのだ。
自分は、勉強嫌いで頭も悪く成績もワースト3の中だった。
本当は大学なんて行きたくなかったが、友達の一言で行こうと決心した。
「はぁ?『しゅん』大学いかねぇーの?もったいね」
「何がもったいねぇーの?」
「大学行ったら可愛い子たくさん居るのに」
そう、可愛い子が居るって聞いて必死で勉強した。
運よく妹が頭が良かったおかげで教えてもらいなんとかギリギリ合格!!
一問間違ってたら不合格だった。
「とにかく合格したんだから良かったじゃない、明日からちゃんと講義遅れずに行きなさいよ。」
「わかってる」
寝起きが悪い自分に母が釘を刺して言ってくる…「合格したのにギリギリだから余裕もなしか」
ため息をつきながら夢見た大学生活に涙を飲む、本当なら大学の女の子達と遊び暮れるはずだった…
気分が冴えないから早く寝る事にした。
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