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バタバタと慌ただしく騒ぐ足音と声。
「遅刻しちゃう。行ってきまーす。」
「『トリス』財布忘れてる!!」
「ありがとうお母さん。行ってきます♪」
靴を履きながら急ぎ足で家を出て、バス停まで走り出した。
「ハァ、ハァ、間に合った。」
見るとバスは出る寸前、休む間もなく混雑してるバスの中に乗り込んだ。
「やけに今日は人がいっぱいねぇ~」
そんな事を考えながら立って居るのが嫌だったのでバスの一番後ろの席に無理矢理腰を降ろした。
その時に今日は、新学期だからバスを利用する人が多いのだとわかった。
ふと横を振り向くとムスッとした顔で座ってる男の人が居る。
おそらく満杯の後部席の中無理矢理に私が座ったからであろう。
「無理矢理座ってゴメンね。走って来て疲れちゃってたから。」
「いいよ。気にしないで。」
さっきまでムスッとしてた顔がニコっと笑顔に変わった。
(解りやすい人だなぁ~)
「もしかして今日から大学生?」
「そうだけど君も今日から?」
「私は違うよ、二年生だから」
どうやら私と同じ大学の新入生らしい。
(そうかぁ~私も先輩になるんだぁ~)
浮かれた気分でニヤニヤしながら意識がなくなる…
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