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「始まって……ない?」
勇夜が安堵を声に出す。
「説明会って8時からだったような……。」
諒成が疑問を口にした時。会場の各所に設置されたスピーカーからスタッフであろう女性の声が響いた。
『8時より説明会を予定しておりましたが、当社社長の到着が遅れておりますので、今しばらくお待ち下さい。』
その放送に呆然とする3人。
「和成さん…………。」
しばらくして諒成が呆れ気味に呟いた。
湧喜と勇夜も苦笑している。
((時間が大丈夫じゃないのはあの人も同じだったのに、あの落ち着き様はないだろ……。))
3人の心がシンクロした。
そして5分後。
和成はまだ到着していなかった。
『時間が迫ってきましたので、社長不在ですが説明会を始めたいと思います。』
スタッフも痺れを切らしたようだ。
そして説明会は始まった。
無駄な挨拶や演説は無く、説明会は言葉通り説明だけで進行していった。
内容は、〈アイオーン〉の事だった。
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