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完成したそれぞれのキャラクターは髪と瞳の色だけ違う3人そのものだった。
諒成は銀髪銀瞳。
湧喜は赤髪赤瞳。
勇夜は金髪緑瞳。
外見は決まったので最後にクラスが残った。
クラスの項目を選択すると、5つのアイコンが出てきた。
ここは他者の意見より自分の考えで決めるべきだと思い、3人それぞれが黙って考え込む。
「よしっ!俺はこれだ!」
短い沈黙のあと湧喜が言った。
「俺は……これかな。」
次いで勇夜も決まったようだ。
「………………これだな。」
最後まで迷っていた諒成も決めた。
「んで、お前ら何にした?」
湧喜が聞くが勇夜がすかさず言う。
「ゲーム開始してお互いを見た時に分かった方が面白いだろ?だからそれまでは秘密で。」
納得したのか湧喜は聞くのを諦める。
そこで3人のカプセルが同時に開いた。おそらく大元の制御装置で操作したのだろう。
3人が驚いて前をみると、そこには和成が立っていた。
和成が口を開く…………より前に勇夜が口を開いた。
「あっ、どうも。遅刻社長。」
『何を言ってんだ、お前はっ!』
その発言に諒成と湧喜が同時にツッコむ。
しかし勇夜の言葉にも和成は動じず、笑いながら言う。
「ハハハ。キツいね~、勇夜君。」
「いや、そういう対応をしてもらえると助かります。笑えない冗談を笑ってくれる人は貴重です。」
そのやりとりを見て諒成は呆れ顔を、湧喜は苦笑いを浮かべながら同じことを考えていた。
((何だろう、この軽いノリは………。))
2人がそんな事を考えているのを知ってか知らずか、和成は3人に問掛ける。
「3人ともキャラクターの設定は決まったかい?」
そう言って3人の顔を見回す和成にそれぞれが頷いて肯定の意を示す。
それを見て和成は満足そうに微笑み、ふいに声を潜めて囁いた。
「1つ、提案があるんだ。………ゲームを人より有利に進めたくはないかい?」
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