chapter 3 encounter

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改めて鳥を見ると接近戦を──それも相手は飛んで来た勢いのある状態で──挑んだ自分の愚かさを知る。 その大きさたるや『怪鳥』の名がふさわしい巨躯だ。 全高約2m。翼を広げた全幅は5m以上だろう。 ちなみに体色はどういう色素が出すものか、鈍い輝きを放つ黒灰色だ。 「さあ、どうしたもんか………。」 そう考えているうちに鳥は飛びたとうと翼を広げ、バサバサと羽ばたく。 「………!飛ばれたら終わりだ!」 諒成が駆け出すが間に合う距離ではない。 「神楽!」 だがそんなことは諒成も分かっているので、神楽に言う。 「うん!」 神楽も何をするべきなのか分かっていたようだ。 既に矢をつがえていた弓の狙いを定め、射る。 矢はまっすぐ飛び、鳥の頭スレスレを通り抜ける。 矢に反応して鳥の動きが一瞬止まるのを見逃さずに諒成が間合いを詰める。 狙うは首筋。首を斬り飛ばすか、悪くても動脈が切れれば良い。そういう考えでの行動だ。 しかし。 ガッ!ギャリ! またしても諒成の斬撃は弾かれ、鳥の体表を滑る。足のみならず首までもが硬かったのだ。 「全身、カチカチなのか!?こいつは!」 愚痴りつつ少し距離をとる。 「俺の攻撃は効かない。お前だけが頼りだ。」 背を向けたまま神楽に言う。 「でも剣で斬れないのを弓で貫通させられないよ!」 神楽が返すが諒成は振り返りもせず、さらに言う。 「ああ。だから眼か口の中を狙え。さすがにそんなとこまで硬くはねーだろ。」 指示を出す諒成には神楽なら出来るという確信があった。 彼女は会った時かなりの距離から的確に狼の首を射抜いたのだ。ならばこの距離であんなでかい獲物の眼や口を狙えないはずがない。 「わかった。やってみる。」 「頼んだ。隙は作るように努力する。」 そして鳥との戦い、第2ラウンドが幕を開けた。
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