chapter 3 encounter

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鳥の気を引くべく諒成が正面から接近する。 一方鳥は、もう飛ぶ気は無いのか羽ばたかず、翼を振りかぶる。 諒成が構わず突っ込んで行く前で、鳥が大気を切り裂かんとするかの様に翼を振る。 鳥の翼から何かが飛んだ。 諒成はとっさに立ち止まり、盾を構えてそれを防ぐ。 スココンッ! それは小気味良い音をたてて盾に突き刺さった。 ちなみに盾の材質はどう見ても金属。おそらく青銅だと思われる。 その盾に容易く突き刺さった物体とはなんなのか。 諒成は驚き、盾を見る。 その盾に突き刺さっていた物は……………羽だった。 「どうりで硬い訳だ。鋼鉄製の羽毛か。どんな鳥だよ!」 言いつつまた走り出す。あんな物を大量に飛ばされたら諒成の持つ小さな盾では防ぎきれない。 しかし鳥の元に辿り着いても危険には変わりなかった。 容赦ないつっつき攻撃が諒成を襲う。 「わっ!とっ!ほっ!」 奇声を上げながらもなんとか鳥の攻撃を避ける。 (避けてばかりじゃいかんからな………なんとか隙を作らないと。) 避けながらも思考を巡らす。 そして鳥が顔を引き戻す瞬間に盾を突き出す。 これは避けられるが、それは予定通り。これで鳥は盾に意識を向けた。 「ふんっ!」 その隙をついて剣を握った右手で鳥の顎を殴り飛ばす。 「グ………アァ……。」 うめき声らしき鳴き声を上げ、たたらを踏む。 「グゥゥ………グアァァ!」 しかしすぐに回復し怒りをあらわにする。 その大きく開いた口に、 ドッ…! と音をたてて矢が突き立ち、少し貫通して止まった。 「油断し過ぎだ、鳥のバケモン。」 息絶えた鳥に言い、振り返る。 「ナイスショット。」 ごく軽い口調で神楽を称える。 「はっはっは。もっと褒めなさい。てゆーか崇めなさい。」 「調子に乗んな。」 威張る神楽に言うがその表情は笑っている。 そして何かに気付いたような顔になり、再び鳥に近付きしゃがみ込む。 続いて近付いてきた神楽に顔だけ振り返り、聞く。 「この鳥の羽って高値で売れたりするかな?」
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