chapter 2 start

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湧喜の参加登録から3週間程経って8月中旬。2人は湧喜の家でゲーム三昧の毎日を送っていた。 今日は格ゲーをやっているようだ。 状況は湧喜の方が圧倒的に有利。諒成は唸る事しか出来ない。 「むぅ……。」 「フハハハハハ。甘い、甘い!未熟じゃのう、諒成よ。」 妙な言葉遣いで諒成を馬鹿にする湧喜。 と、そこで2人のケータイがまったく同時に着信を知らせる音を鳴らした。 「ん?メールか。」 湧喜はそう言いつつ、諒成は特にリアクションも無くケータイを手に取り、メールを確認する。 彼らの元に届いたメールは同じ内容のものだった。 ━━━━━━━━━━━━━━ 葛城カンパニーより この度は本社の新型ゲーム〈アイオーン〉に御参加いただきまして誠にありがとうございます。 ゲームのテストプレイの日時が以下の通りに決定しましたので、お知らせ致します。 日時 開始8月18日(土)午前9:00    ~21日(火)午前9:00 場所 葛城シーランド内 アトラクション〈アイオーン〉 なお、ゲームの開始は午前9:00よりですが、説明会を行いますので午前8:00までに会場へ御越し下さい。 一応アルバイトという形態をとってはいますが、どうぞ楽しくプレイして下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━ 「遂に来たな~。お前の方にも来たんだろ?」 湧喜が諒成に興奮気味に言う。 「おう、来た。18日か………。ちょうど一週間後だな。」 諒成はいたって冷静に返す。 結構な温度差だ。湧喜は3年の付き合いの中で諒成の平静を揺るがすにはぶん殴るしか無いと学んでいた。 なのでこの温度差も気にせず、ゲームに戻りまたその日も過ぎていった。
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