真実

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もう消灯時間はとっくに過ぎていて、病室にはオレンジ色にぼんやり光る電気だけがついていた。 百合はこの灯りが気になって仕方なかった。 白い壁がぼんやりと光る。 いつもは真っ白い壁だから、気味が悪くて仕方がなかった。 ……普段ならこんな灯り、気にしたことないのに… ……あたしに喧嘩売ってんの? たまらずナースコールを押した。 すると、見知らぬ看護師がすぐにやってきた。 『神永さん、どうしました?』 『…あのさぁ、この電気消してくんない?』 『これ…ですか?』 看護師は上を見上げる。 『電気って言ったらこれしかないでしょ!』 『もう少し小さな声でお願いします………これは、夜中にお手洗い等に行かれる患者様がいるかもしれないのでつけてあるんです…』 『ハァ?これであたしの邪魔しようっての?寝れないんだけど!』
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