936人が本棚に入れています
本棚に追加
『申し訳ありません…でも消すわけにはいかないんですよ』
看護師は申し訳なさそうに答える。
『……じゃあ、もうあんたに用はないから。出てって!』
きつく言い放ち、わざとカーテンを閉める音をピシャリと鳴らし、ベッドに横になった。
百合は頭から布団を被り、眠ろうと目を閉じたが、なかなか眠りに就くことはできなかった。
百合の中に恐怖心が生まれているのは確かだった。
治療の恐怖…
副作用の恐怖…
死の恐怖…
これだけは医者にも取り除くことはできない。
しかし、百合は相沢に期待していた…
あの一言が忘れられなかったから…
最初のコメントを投稿しよう!