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『神永さぁん、検温の時間ですよー』
いつの間にか窓の外は明るくなっていて、カーテンから光がこぼれていた。
『んー…あとで』
『今日から治療が始まりますからね。しっかり体温計りましょう?』
……夢じゃない?
百合はうっすら目を開けると、白い部屋に白い制服を着た看護師が目に入った。
昨日あれだけ眠れなかったのに、いつの間にか眠ってしまったらしい。
『失礼しますねー』
看護師は、百合の腕を持ち上げて半袖のTシャツの間から体温計を挟もうとした。
寝起きの悪い百合の検温は度々こんな感じでされることがある。
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