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『おい、起きろ。ワガママ娘』
……この声!
『遅い!』
布団の中から叫ぶ。
『しょうがねーだろ。順序というものがあるんだよ』
『あたしが呼んだらすぐ来てよ』
『無理です。ほら、出てこいよ』
百合は布団からこっそり目だけ出した。
相沢以外、誰もいない。
『他の人は?誰もいないの?』
『居たっておまえ拒否するだろう。俺じゃないとダメなんだろ?』
フッと鼻で笑って布団をはがした。
『ほら、腕出せ』
『…ハイ』
いつもは看護師さんがやる血圧測定を相沢が自ら始める。
測定機を真剣に見つめる相沢の眼差しに、なんだか胸が苦しくなる。
……ちょっとカッコイイじゃん…
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