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『…どうした?』
『あたし…死ぬの?』
『死なせるわけないだろ』
『じゃあ、先生お願いしますね』
機転をきかせて吉田は部屋を出ていった。
『うん…』
力無く百合は返事をした。
相沢はベッドの脇にあった椅子に座った。
『いいか、自分を信じろ。生きるんだと強く思え。俺も全力を尽くす』
ふっと視線を上げると、力強い相沢の瞳があった。
『わかった…頑張る』
その言葉に相沢は微笑んで、百合の頭を撫でた。
そして点滴の針が腕に刺さり、病気との闘いが始まった。
『高校生らしい服装だな。俺はもう少しシックな服がいいな。この時期だと…そうだな、白いワンピースがいい』
また百合の頭を撫でて、そっと出ていった。
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