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……頭…撫でられた。あの人、そんなキャラだっけ?
病気と闘うための戦士達が少しずつ体内に入っていく。
さっきの相沢の言葉を思い出す。
……生きたいって思ったら生きられるの?
……やめやめっ!雑誌買いに行こう!弥生いるかな?
恐る恐る点滴を引っ張りながら、カラカラという音とともに歩く。
……すっごい病人ぽくてやだな…
隣の弥生のいる部屋を覗くと、点滴をしながら雑誌を眺めていた。
『弥生っ!』
弥生は一瞬ビクッとして顔を上げた。
『びっくりしたぁ!あ、治療始まったんだね』
『うん、ついさっきね』
『どうしたの?今日はすごい気合い入ってるけど』
弥生の部屋の患者達も不思議そうにちらちらと百合を見ている。
『今日は友達が来る予定だから、ちょっと頑張ってみたんだ!』
得意げで楽しそうな百合を見て、弥生も嬉しくなった。
……百合は、生きてね…
『あっ、その雑誌!』
百合は弥生が読んでいた雑誌に気付いた。
『これ、売店に売ってる?』
『あー、この病棟にはもしかしたらないかも!あたしでラストだったんだ』
『うそぉ~!じゃあ友達に頼もうかな』
『あげるよ!』
『えっ、いいの?』
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