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この家を出る。
それを決めたのは窓から見えた私と同じ年頃の女性が自由に優雅に外を歩いているのを見たときからだった。
私は外の世界を一人で見たことがない。
体の弱い 母がいた為だかあまり外にでることがなかった。
外に憧れる一方で母の側にいなければ生きていけないと思っていた。
母は、私を育てる為に男に媚びた。
いや、そうしないと生きていけない人だったのかも知れない。
母は、男が帰ってくると側に行く。男がソファーに座りネクタイを緩めると男の膝の上にのり淫靡な声で鳴くのだ。
それは、母にとって男を虜にするテクニックだった。
男にすがり男と一緒にいないと生きていけないそんな母が嫌いだった。
そんなとき私は、隣の部屋で耳を塞いだ。
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