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「・・・お。アレ?
なあデブ、この公園って、あんなモンあったっけ?久しぶりに来たから忘れちまったなー。」
そう言って主人は、俺の背後を指差した。
仕方ないから俺は振り向いてやる。
(・・・ん?
何だアレは。What?)
公園のベンチが置いてあるすぐ脇に、また別の入口のようなものがあった。
その入口はどうやって作られたのか、
木の枝が一本一本絡まり合っていて、ちょうど大人一人が入れるような、輪っかが生み出されていた。
公園の枠を形作るフェンスは、その部分だけ木の枝によって破られている。
そしてその先には、雑木林が続いていた。
ニャニャー。
(確かに初めて見たな・・・。)
「デブデブ!行ってみよーぜ!
超面白そうじゃん!
アヒャッ迷路みてー!!」
ニャー!
(あっ待て!主人・・・・!!)
しかし、主人は俺の呼び止めも無視し、さっさとその奇妙な入口の中へ足を踏み入れてしまった。
・・・ガッデム、手のかかる主人だ。
俺はエレガントにやれやれとため息をつくと、幼稚なホモサピエンスの後について行った。
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