クソ主人とCOOLな俺

8/12
前へ
/83ページ
次へ
「・・・お。アレ? なあデブ、この公園って、あんなモンあったっけ?久しぶりに来たから忘れちまったなー。」 そう言って主人は、俺の背後を指差した。 仕方ないから俺は振り向いてやる。 (・・・ん? 何だアレは。What?) 公園のベンチが置いてあるすぐ脇に、また別の入口のようなものがあった。 その入口はどうやって作られたのか、 木の枝が一本一本絡まり合っていて、ちょうど大人一人が入れるような、輪っかが生み出されていた。 公園の枠を形作るフェンスは、その部分だけ木の枝によって破られている。 そしてその先には、雑木林が続いていた。 ニャニャー。 (確かに初めて見たな・・・。) 「デブデブ!行ってみよーぜ! 超面白そうじゃん! アヒャッ迷路みてー!!」 ニャー! (あっ待て!主人・・・・!!) しかし、主人は俺の呼び止めも無視し、さっさとその奇妙な入口の中へ足を踏み入れてしまった。 ・・・ガッデム、手のかかる主人だ。 俺はエレガントにやれやれとため息をつくと、幼稚なホモサピエンスの後について行った。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

817人が本棚に入れています
本棚に追加