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俺の抗議も無視して、主人はさっさと玄関に行ってしまった。
そして、ボロボロのスニーカーを履きながら、俺に向かって手招きをする。
「おい、行くぞデブ。ボサっとすんな。
お前中年デブなんだから、少しくらい運動しねぇとメタボになるぞ、メタボに。」
ニャーニャー!!
(この俺をそこらの中年オヤジと一緒にするなっガッデム!!!)
主人と外に出てみれば、ちょうど夕陽が沈む頃だった。
夕陽に照らされた黄色い雲たちは、空の果てではグレーに染まりつつある。
・・・もうすぐ夜だな。
サイレン・ナイト・・・
ふっ、このジーザスに相応しい時間がやって来る。
「どーした、デブ。空なんか見上げて。
あ、そーか、あの雲がわた菓子に見えるのかー。お前ホントに食い意地はってんなあ。
アヒャヒャヒャっ。」
ニャーニャー!!
(黙れこのデレカシーナッシング野郎め!!
貴様はこのしみじみとした情趣が分からないのか!!)
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