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「分かった分かった、帰ったらわた菓子作ってやるよ。
しょーがねぇな、デブは。
ミラクルデブと呼ぶ日もこりゃ近いな、アヒャヒャ。」
ニャニャーニャー!!!
(誰がそんな子供騙しを食うか!!第一誰がミラクルデブだって!?)
「おいおい、そんなにはしゃぐなよー、デブ。
やっぱ一昨日わた菓子機買ってよかったなー、祭りがなくったって毎日食えんぞ。
お、やべぇヨダレが。」
ニャーゴ!!
(わた菓子食いたいのは貴様だろう!!大体、わた菓子機買うマネーがあれば借金を先に返済しろっガッデムガッデム!!)
アッヒャヒャヒャと情けない笑い声を出しながら、主人は俺の前をゆっくりと歩く。
のんびりと歩くこの男の後ろを、俺は少し間隔を空けて歩くのが、もう習慣だ。
Why?何故かって??
分かり切った答えを聞くな、諸君よ。
ろくに髪もセットしていない、ボサボサ頭。
ひょろりとした細い体格。
ボロボロのジーンズにシワシワのTシャツ。
こんなみっともないルックスをした奴と、並んで歩けるか。
俺とこんな下等生物とは他人だ他人。
こんな奴が主人だと周りのCatに知られでもすれば、このジーザス=ウィリアムの名がすたるというものだ。
だから距離を空け、他人のふりをして、俺は凛々しく気高くのんびりと歩くのだ。
決して、俺の足が遅いとか疲れたとか、そういうわけではないぞ。
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